【書評】人は話し方が9割 永松茂久

書評

この本を読んで、点と点が線になった感覚がしました。今までの様々な体験の理由が分かった様に思います。そして、今まで相当に話し方で損をしてきたなと思いました。私以外にもそんな人がいるかと思います。そんな方のために、私がこの本で学んだ事や気づいた事をシェアします。

話す相手や「環境」を見直す

話す相手を選べない場合もあるけど、プライベートで苦手な人と話す必要はないし、仕事場も転職をするなど環境を変える事は十分にできる。「過去と他人は変えられないけど、未来と自分は変えられる」とよく言われるけど、一生懸命に伝えて相手を変えようとするのではなく、自分で良い環境に身を移すというのも重要である。今までの自分の常識を変える衝撃的な内容でした。

”苦手な人との会話を避け、大好きな人と話す時間を増やす”

人はリラックスしている時の方が緊張している時よりパフォーマンスが高いそうです。つまり、波長が合わない人と付き合い、否定をされ続ける事はパフォーマンスを下げる事になり、上手く話せないのも当然です。話しやすい人との会話で成功体験を積み、会話力を上達させてから苦手な人と話す。勉強やスポーツでも簡単な事から始めてノってきたら苦手な事に挑戦する方が効率良く進みます。会話においても、いきなり苦手な人というラスボスに向かうのは間違っていたと気づきました。

他にも、「会話の難しい人との距離を無理に詰めなくて良い」、「波長の合わない人と付き合うのは、全肯定どころか自分自身を否定することにつながってしまう」、「苦手な人とは、どう話すかよりも、いかに話さないか。反応しないことが最大の防御。」という内容がありました。本当にその通りだし、今までの自分は何故か苦手な人との時間を多く取っていた事に気づきました。

否定的な人とは距離を置く。それでも否定的な事を言われた時は、、、

「あなたはそう思うんですね」と言う。心の中では「私はそうは思いません」と付け足す。

また、怒られた時に怒った相手を味方にするフレーズがありました。それは「私のせいで〇〇さんに言いづらい事を言わせてしまいました。申し訳ありませんでした。大変勉強になりました、ありがとうございます。」です。怒られるとどうしてもイラッとするけど、最終的にその相手が味方になるなら正面衝突して戦うより感謝を伝えて味方にしてしまう方がメリットが大きい。実践したいと思います。

話し方

ゆっくり話す

私は今までに2つの職場を経験しているのですが、両方で早口であると指摘された事があります。特に緊張したり言いたい事があるときは、より早口になるそうです。

早口だと聞いている方も疲れるし、押し付けがましく聞こえたり、内容が伝わらなかったり、焦っている様に見えてしまったりとデメリットばかりです。しかもゆっくり話すだけで、寛大に見えたり、相手も敵対的ではなく受け取ってくれたりします。この本を読む直前にも職場で早口を指摘され、この本を読んでゆっくり話す事を意識的にしたら人間関係が良くなった様に感じました。

ゆっくり話すだけでメリットがあるなら、忘れない様に定期的にゆっくり話す事を意識したいと思います。「早口は損」これは私が言われた言葉で、本当にその通りだなと思いました。

”正論を正論のまま言うことは「あなたは間違っていますよ」と真正面から相手を斬りつけるようなもの”

どんな人にもその人の立場があり、その人の気持ちがあり、言い分があります。「あなたは間違ってますよ」と正面から斬りつければ、相手も臨戦体制を取ってきます。

私は前の職場で、「ど正論を言うから嫌」と言われた事がありました。正論を言い相手の逃げ道を無くし怖がられていました。会話において、言い負かす事にメリットはなく、人を動かし自分の有利になるように進めるには相手と良好な関係を築く事の方が有意義です。この本を読んで、ハッとしました。

話し上手な人は余計な一言を言わない

なんでも正直に言えば良いというものではない。例えば、誰かが「犬が好き」といった時に、自分は犬が好きではなかったとしても「私は犬が嫌いだ」と言う必要はない。例え犬が嫌いだったとしても、「そうね、いいことね」とだけ言えばいい。相手と意見が違ったとしても、わざわざ相手の意見を正す必要もないし、相手と違う自分の意見を伝える必要もない。余計な一言を言うから損をするのだ。

また、相談を受けた時、相手が求めている事は「分かってほしい」「共感してほしい」であって、必ずしも「プラス方向に転換したい」と思っている訳ではない。「そうなんだ」と共感している方が相手は良い印象を受ける。自分の意見を言う時も「これはあくまで私の一意見だけど」と相手の意見を立たせた上で伝えることが大事。

私は人から相談を受けた時、なぜか無駄にポジティブな事を言ったり、答えを出そうとしていました。相手と良好な関係を築きたいのだから、間違った努力をしていたなと気付かされました。

聞き方

自分の話は2割に抑えて、8割は聞き役にまわる

人は誰でも自分の事が一番好き。だから「人は自分の事を分かってくれる人の事を好きになる」。良好な関係を築くには、まず相手を理解することから全ては始まる。まずは相手の話をよく聞くこと。つい自分の話をしたくなってしまうが、話を聞く事で、良好な関係を築けるなら聞くを優先すべきだ。

まず相手を肯定してから自分の意見を話すと柔らかくなる

以前、同僚から似たような事を言われたことがあります。「でも」や「けど」を多用していて、他人の意見で間違っていると思うと直ぐに正そうとしていました。どんな人にもその人の立場があり言い分がある。意見して速攻否定されたら良い気持ちがしないのは明らかですよね。喧嘩したいならまだしも、有効な人間関係を継続したいなら、「そうですよね」と一旦、肯定してから自分の意見を言うように心がけたいと思いました。

無理やり話を纏めたり、結論を出そうとしない

私は「要するに」と言う言葉が口癖でした。仕事ならまだしも、プライベートで楽しく話している時に、要する必要はないです。なぜか、プライベートで楽しく会話をしたいだけなのに、情報量を増やすこと、正しい情報を共有すること、結論を出すことを目的としていたことに気づきました。

最後に

①環境に気をつける:話にくい人とあえて一緒に居続ける必要はない。

②話し方を気を付ける:余計な一言を言わない。ゆっくり話す。正論を直球で言わない。

③聞き方を気を付ける:まずは一旦、肯定する。話をまとめない。話すより聞くを増やす。

私は今まで話し方でたくさん損をしてきたと思います。同じ内容の事を言っていても、話し方で相手の受け取り方には雲泥の差がある。私の場合は、まず「ゆっくり話すこと」「余計な一言を言わない」「正論や自分の意見を言うときは、一度、相手を肯定する」を気をつけたいと思いました。また、話す相手を選ぶ(環境を変える)と言うのは目から鱗でした。今まで様々なタイミングで周りの人に言われてきた事、点と点が線として繋がった感じがしました。定期的にこの本を読み返して、話し方で損をするのではなく、得をする話し方に変えていきたいと思います。大切な人々と良好な人間関係を守るために。

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